VOL.41 袋角(ふくろづの)成長中
ホンシュウジカのオスは毎年角が生え換わります。春先に古い角が根元から落ちると、すぐに新しい角が生え始めます。皮膚をかぶった「袋角」で、初夏から秋にかけてぐんぐん成長します。成長に必要なので、皮膚には血管が豊富なため、この時期に角を傷つけてしまうと出血してしまうので、袋角のオスは大人しくしています。秋、角の成長が終わると血流の止まった皮膚が破れて、硬くなった角が姿を表します。もう出血を恐れる必要はないので、木の幹で角の先を鋭くとぎ、オス同士の闘争が始まります。そして冬を越えると…の繰り返し。 オスの年齢が上がってくると枝分かれも増え、成長中とはいえ立派なものです。そして、生まれつきなのか、角が出てくる途中で傷がついたのが原因なのか、たまに変な形のものも。 数日見ないうちに角の形や長さが変わっている、というのはこの時期ならではです。